漫画『エチカの時間』はつまらない?打ち切り?5巻完結漫画をレビュー

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漫画『エチカの時間』はつまらない?打ち切り?5巻完結漫画をレビュー

どうも、たくろーです。

今回は漫画『エチカの時間』をレビューします。

まだまだ物語を広げられそうなところで「どうやら打ち切りっぽいな」と感じる終わり方をした漫画で、個人的にはかなり惜しい作品だなあと感じています。

たくろー
なかなか考えさせられるテーマでしたので、このまま続けば色々と伏線も回収できて絶対もっと良かったなあと思いました。

リアルな感想をレビューしていきます。

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目次

\この記事を書いた人/

たくろー
ブロガー
関西から札幌に移住してきました。会社ではWebメディアの編集長を。家では無心でブログを書き続けるブロガーとして生きています。以前はブラックなアパレル企業で人事やエリアマネージャーの仕事をしていて、退職代行からの電話を受けたことがあります。「一つの会社とか収入源に依存しない働き方がいいよね」というスタンス。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

『エチカの時間』とは

『エチカの時間』とは、「倫理学」を題材にしたユニークな漫画です。

「トロッコ問題」や「囚人のジレンマ」など有名な倫理問題や思考実験を題材にしながら、「倫理の意義」や「倫理の本質」についてあらためて考えさせてくれました。

スペリオールで連載されていた漫画で、全5巻で2021年に完結済です。

たくろー
もっと広げられそうなテーマだっただけに、正直5巻で終わっているのは残念だなあと感じる漫画でした。

作品のあらすじ

トロッコ問題発生!究極の倫理ゲーム開始!

渋谷スクランブル交差点付近で
巨大鉄球が落下――!
250人と3人、どちらを助ける!?

Fラン大卒のフリーター日野の前に
突如、次世代AI七太郎(ななたろう)と
「エチカアカデミー」という謎の集団が現れる。

彼らの目的はAIの倫理(エチカ)を“育倫”することだと言い、
日野はエチカ案件=渋谷鉄球落下事故で
250人と3人のどちらか一方を助けるとしたら
どちらを助けるか、という選択を迫られる!
その選択は現実を決定するというのだが――!

「トロッコ問題」が現実に発生したら
あなたはどちらを選ぶ?
圧倒的ジレンマを突き付ける
究極の倫理ゲーム、ここに開幕!

出典:Amazon

なお『エチカの時間』は5巻完結なので、eBookJapanの初回登録キャンペーン(最初の6冊まで半額で購入できる)を利用すると、全巻半額で読めます。

一気読みするならおすすめですね。

たくろー
ちなみに僕はU-NEXTのポイントがめっちゃ余ってたので、そちらで全巻買いました。

『エチカの時間』の感想・レビュー

『エチカの時間』の感想・レビュー

ここでは、僕が『エチカの時間』を読んで感じたことを「見どころ」のような形でまとめてレビューしていきます。

「AI × 倫理」の興味深い社会問題がテーマ

この漫画は「倫理学」が題材になっているとお伝えしてきますが、そこに「AI」が入ることで物語に深みを出しています。

「AIに倫理について学習させるために、答えのない倫理問題についてディベートを行う」という背景があり、なかなかユニークなシナリオになっているのが良いですね。

リアルな社会問題に切り込んでいるシナリオもあり、かなり興味深い漫画でした。

登場人物の背景が生々しくて良い

焦点の当たる登場人物が、それこそ「倫理感」を問われるような過去を持っているので、かなり人間味やリアルさを感じられるのも良かったポイントです。

特に5巻の村野先生とか「こういう追い詰められた大人は日本にいっぱいいるよなあ」と思いながら読めました。

共感できるというか、「確かに一人ひとりの事情があり、そこに倫理感や正義が乗っかって複雑なことになるんだ」とあらためて考えさせられるような作品ですね。

もっと長く連載すべき作品だった

倫理学のうち、わずかな種類の理論しか掘り下げられなかったのは少し残念でした。

主に「功利主義」と「義務論」を戦わせるテーマが多かったので、「じゃあその他にはどんな考え方があるんだ?」というところを、もっと幅広く取り扱ってくれていたらもっと良かったかもしれません。

最初に「倫理学における10の理論」ということでサラッとした説明はあったものの、それらのうちほとんどは登場することもなく最終回を迎えたのが残念ですね。(5巻で急いで回収しようとしてる感はありましたが)

あと主人公や毎回の登場人物は背景が掘り下げられるのですが「エチカアカデミー」の生徒たちはほぼノータッチだったので、ここも長く続けばもっと面白そうだったなという部分です。

この辺りが「打ち切りだろうな」と言われている所以だと感じましたが、とはいえ5巻でスッキリまとまっているのも、それはそれでアリかもしれません。一長一短ですね。

『エチカの時間』各巻のあらすじとネタバレ

『エチカの時間』各巻のあらすじとネタバレ

ここでは、各巻の簡単なあらすじをご紹介していきます。

一応「ネタバレ」とつけていますが「各巻では倫理に関するどんな題材が取り扱われているのか」程度の紹介にとどめて、肝心なところは伏せています。

未読の方も安心してご覧ください。

1巻のあらすじ・ネタバレ

『エチカの時間』1巻のストーリーでは、かの有名な「トロッコ問題」が題材になったシナリオが展開されます。

エチカアカデミーという国の機関が、AIである七太郎の倫理観を育成するための「育倫」に巻き込まれた主人公は、果たして何を感じ、どんな選択をするのか?

主人公の「日野」と、本作のヒロインである「百上(ももがみ)」、あとはAIの「七太郎」が揃い踏みして「こんな感じの漫画ですよ」が紹介される巻ですね。

たくろー
主人公の日野がなかなかのクズっぷりなので、なかなか感情移入はできませんが、倫理に関する基礎的な考え方が勉強になる巻ですね。

2巻のあらすじ・ネタバレ

1巻から続く「トロッコ問題」を題材にしたシナリオは、2巻で解決に向かいます。

まず冒頭では、日野のクズさの根源である「父親」とのエピソードが出てきて「うわぁ……」となるところからスタート。

なんだかんだで話が進み「クズ人間だった日野が、自分と向き合って自分なりの答えを出す」というところまでいくのですが、その過程で「社会人の生々しい人間関係」が描かれているのが、なかなか面白いポイントですね。

日野がAIの七太郎から気に入られて「エチカアカデミー」にスカウトされて、このあとどうなっていくのか?というところで2巻が終了します。

たくろー
学生より、圧倒的に社会人が読んだ方が楽しめる漫画ですね

3巻のあらすじ・ネタバレ

3巻では「作為・不作為」をテーマとした話が展開されます。

これも結局はトロッコ問題の応用のような内容なのですが、「不利益が起こるのがわかっていながら黙っているのは倫理観の上で罪なのか?」というところですね。

また「農業の未来」や「過疎化していく町」、「ドミナント戦略とは」など、日本の各地でおこっている社会問題に切り込んでいる巻です。

なお3巻からは主要キャラになりそうなエチカアカデミーの生徒があらたに出てくるのですが、彼らの背景などはあまり掘り下げられず5巻で終わっちゃったのが残念です。

たくろー
1〜2巻よりも、もう少し広い視点から倫理を学べる巻です。

4巻のあらすじ・ネタバレ

3巻から始まった「作為・不作為問題」は、4巻で結末に向かいます。

農業に関わる主要人物の背景や思いが掘り下げて語られていくのですが、色々と「確かになぁ」と考えさせられました。

この巻で印象的だったのが「人は自分がした選択に縛られてしまう」という話題ですね。

「さっきはこうだったから、きっと今回もこうだ」「ここで違う方を選んだら、今までの選択が間違っていたことになる」など、縛られなくて良いところに縛られてしまっているという、日野が出した一つの意見がとても興味深いテーマでした。

色々と考えさせられた巻ですね。

たくろー
最終的にどこにどう落とし所を持っていくのか、あまり予想できなかったので、特に3巻〜4巻が楽しく読めました。

5巻のあらすじ・ネタバレ

5巻で最終巻になるのですが、ここではかなり攻めた題材「学校教育と感染症」について取り扱っています。

「受験シーズンに学校でクラスターが発生したら、受験生の受験に響いてしまう。果たして公表するのが正義なのか、それとも……」というような話題ですね。

ここでは「プラグマティズム」「黄金律」など、ここまで登場しなかった倫理学用語が出てきつつ、かなりリアルな人間の選択が興味深い内容でした。

このテーマはきちんと5巻の1冊で収められていて、最後の締め括りは「七太郎」との別れです。果たしてどんなクライマックスを迎えるのか、ぜひ最後までご覧ください。

たくろー
個人的にはもっと長く続けて掘り下げていって欲しかったのですが、これはこれで良いのかもしれません。なかなか面白い漫画でした。

『エチカの時間』感想まとめ

エチカの時間は、これまであまり深く考えたこともなかった「倫理」について考えさせてくれた漫画です。

人間はどう選択すべきか、答えのない問題にどう立ち向かうべきなのか、といった「倫理学」の導入部分に、わずか5冊で触れられる作品。

漫画としても面白いですし、社会人があらためて「倫理」について知るのにおすすめですね。

5巻完結ということで、eBookJapanの初回登録キャンペーン(最初の6冊まで半額で購入できる)を利用すると全巻半額で読めますので、そんなのも利用しつつ、ぜひ読んでみて下さい。

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関西から札幌に移住してきました。会社ではWebメディアの編集長を。家では無心でブログを書き続けるブロガーとして生きています。以前はブラックなアパレル企業で人事やエリアマネージャーの仕事をしていて、退職代行からの電話を受けたことがあります。「一つの会社とか収入源に依存しない働き方がいいよね」というスタンス。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

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