風景写真の基本構図とは?「それっぽい」写真を撮るための基礎知識

「似たような風景を撮ってるはずだけど、あの人の写真となんか違う…」

こんな経験ありますよね。原因が何かといえば、やはり構図の違いであることがほとんど。明るさや陰影は後からの修正でなんとかできる部分も多いですが、構図はトリミングを駆使しても限界があります。

というわけで、初心者風景写真がみるみる上達して「それっぽい」写真が撮れるようになる。そんな構図に関する基礎知識をわかりやすくお伝えします。

目次

写真の構図とは、「切り取り方」のこと

写真の構図とは、「切り取り方」のこと

写真の構図とは、いわば「切り取り方」です。

たとえばAさんが素敵な空に感動している横で、Bさんは咲き誇る桜に目を奪われている。そんな風に同じ場所や景色でも、人によって感じ方が変わる。それを表現できるのが構図だというわけです。

つまり良し悪しではなく、「自分が何を、どう伝えたいか」という基準で考えることが構図の基本と言えます。

最初に身に着けるべき基本構図は、三分割法

切り取る絵を三分割にして収まりよく撮るのが、「三分割法」の考え方。例えば上の写真だと、橋の上下が丁度三分割に。歩いている方を軸に、縦もなんとなく三分割にできました。収まりの良い構図です。

交差ポイントに主題や角を置くと引き締まる

交差ポイントに主題を置くと引き締まる

三分割法で考えたときに、線と線が交差するポイントが4つあります。そのいずれかに主題にしたいポイントを置けば、より目立ったり、キレイに見えたりします。

たとえば上の桜の写真では、主題にしたい大きめの花びらを右上の交差ポイントに置きました。(ちょっとズレてますが)

あるいは交差ポイントカドを置けば、より引き締まります。

こんな風に意識すると、より収まりの良い写真になります。おそらく自然に実践できていることですが、写真を撮るうえで基本にしたい考え方です。

風景撮影で覚えておきたい基本の構図

三分割法がすべての基本ではありますが、その他にもいろいろと「こうするとキレイに撮れるぞ」と研究された構図があります。その中でも初心者にもわかりやすく、すぐに実践しやすいものをまとめました。

  • 日の丸構図
  • シンメトリー構図
  • 三角構図
  • 額縁構図
  • S字構図

日の丸構図

日の丸構図

まずは、とてもありきたりと言われる構図。カメラを構えて花を撮ったら、誰もがまずはこうなります。

我ながら見事な日の丸構図

写したい物を真ん中におく。これは人の性。「日の丸構図」と名付けられています。飽きやすく、写真撮影に慣れてくると「あえて避けたい構図No1」であるとも言えます。

コツは「一番主張したいものを真ん中におく」ということ。

円山公園のかわいいエゾリスさん

たとえばこんなリスの写真。顔をど真ん中に置いて日の丸構図の様相にし、三分割法にのっとってバランスよく撮りました。あえて交差ポイントに顔を置くよりもカワイく撮れたのではないでしょうか。

日の丸構図もバカにできず、ようは「自分がなにを、どう写したいか」ということです。

シンメトリー構図

左右対称の構図を、「シンメトリー構図」と呼びます。これはもう、誰もが自然に撮っている写真です。たとえばこんなの。

これは函館の湯倉神社

建物を撮ると、自然とシンメトリーに撮ってしまうはず。とても安定感のある構図。あとからトリミングで調整することもあります。

三角構図

三角構図はその名の通り、写真の中に三角形が入っている構図。これは「安定」や「奥行」、「高さ」を表現するときに意識すると便利な構図。

たとえばこんな写真。

北海道神宮の表参道の様子

神社の参道。普通の長い一本道ですが、手前は広く奥は狭くを意識して撮ることで、遠近感を表現できます。手前から奥に視線を誘導する効果も。

これは札幌の定山渓の道

例えばこんな写真も三角構図の一種。なんとなく視線が動くことで、感情を揺さぶる効果が高いのも三角構図の特徴。そこにストーリーが生まれやすいとも言えます。

高さの場合は、こう。

大通公園のテレビ塔

パースが効いて、より高く、三角に見えます。安定感も出ますね。写真を撮るときは、ぜひ「三角」を探してみて下さい。

額縁構図

額縁構図

写真の中に、さらに写真の額縁を作るような構図。例えばこんな写真。

謎の窓枠

額縁そのものです。あえて窓をいれることで、よくわからない写真も「それっぽく」なります。もしも外の風景だけ撮ってたら、さらに謎の写真だったはず。

例えばこんなのも額縁構図。「写真は前景を意識しろ」なんてよく言われますが、その前景を手軽に取り入れられる構図だとも言えます。つまりお手軽に「それっぽく」撮れる構図。前景が見つからないときは、一歩下がって撮ってみましょう。

S字構図

ウネウネっとした道を見つけたときは、積極的に狙っていきたい構図。奥行を表現できて、例えばこんな感じの写真になります。

S字カーブを描くように道を撮影することで、奥行きを表現できます。ぜひS字っぽくなってる道を見つけて撮ってみて下さい。

写真の構図の選び方で、その風景はあなただけのものに

まったく同じ場所から同じものを撮影しても、人によって切り取り方は変わります。例えば上の写真は札幌の時計台。横から撮っても良いし、もっと引いて全体をいれても良い。角度を変えてもカッコイイかもしれない。

そんな風に、写真に自分のオリジナリティを出せるポイントの一つが「構図」です。そうしなければならないというワケではなく、「これを綺麗に撮るには、どの構図がいいかな?」と考える材料にしていければ良いように思います。

では、素敵なカメラライフを。

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この記事を書いた人

Nikon D750信者です。
北海道の風景が好きで移住してきました。主に旅先や日常、あとは神社の写真を撮っています。
道内のすべての神社をファインダーに納めるのが目標です。

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