「三角構図」とは何か。
なんとなくイメージはありつつも、改めて調べた事は無いなーという人も多いのでは?というわけで、徹底調査。するとどうやら、ポイントは「安定感」と「ストーリー」みたい。
「三角構図とは何か」という話から、どんな効果があり、具体的にはどんな写真がそうなのか。詳しく解説していきます。
三角構図とは
三角構図(三角形構図)とはその名の通り、写真の中に「三角形」ができている構図。例えば上の写真のような真っすぐの道を撮ったり、高い建物を撮った際に自然と生まれます。もちろん三角形のものを撮影すればそれだけで三角構図に。
そんな三角構図の魅力とは?と考えたとき、突き詰めると「ストーリーが生まれやすい」ということが一番。
どういうことか?順番に見ていきましょう。
まず、安心感がある
たとえばスーパーの陳列、服屋さんのショーウインドウ等でも、よくよくみると「三角形」を基準にした構成になっていることが多いです。これは「三角構成」と呼ばれ、人が安心感を感じやすいデザインなんだそう。
写真もそれと一緒で、構図の中に三角形が入っていることで事で安定します。人が心地よさを感じやすいというのは、それだけでメリット。
もしかしてペンギンがかわいいのは、フォルムが三角形っぽいからでしょうか。安心して見てられますね。
それに加えて、視線誘導の効果も
三角構図には、視線誘導効果もあります。とくに上の写真のような「道」の部分の三角だと、手前から奥に向かってスーーーっと見ちゃいませんか?
なんとなく、広い方から狭い方へ。手前から奥へ。自然と視線が動かされます。静止画のなかで視線が動くと、心まで動かされることが多いそう。つまり印象的な写真になる確率が高いということ。それはあえて狙いたいメリットですね。
ちなみに真っすぐな道が三角形に写るのは、パース(遠近法)の効果。近いところはより大きく、遠いところはより小さく写るという原理です。レンズの焦点距離が広角なほど、パースは強く出ます。
もともと三角の建物も、下からあおって撮るとパースが効いて更に三角形が強調されます。こんな写真も、下から上に視線が動きがちですね。
逆にすると、ちょっと不安
無意識に避けていたのか、手持ちの写真には全くなかった「逆三角形の構図」。フリー素材から気球の写真をお借りしました。
逆三角形が入っている構図は、圧迫感を感じて「不安をあおる写真になる」と言われています。たしかにバランスの悪さは感じます。
そのあたりも考慮して撮影できれば良さそうですね。
つまり感情が動き、ストーリーが生まれやすい構図である
つまり三角構図は、視線が誘導されたり、逆三角形だと不安が生まれたりと、「人の感情を揺さぶりやすい構図」だと言えます。
感情が揺さぶられると、そこにはストーリーが生まれます。意識して狙っていくことで、見る人の想像を掻き立てる写真が生まれやすいかもしれませんね。
三角構図を使いこなせ!シーン別の作例
解説で沢山の写真をお見せしましたが、あらためてシーンごとに整理しておきましょう。三角構図はこんなときに、こんな効果を発揮しているぞ、という具体例をご紹介します。
そこに道があれば、三角を狙え
さきほどもお出しした写真ですが、「道」は三角構図においてキホンのキ。どこまでも続いていく道が、自然とストーリーを連想させます。
僕が気づけば道の写真ばかり撮っているのは、本能的なものでしょうか。多分そんなフォトグラファーも多いはず。(偏見)
そんなわけで、「道」はパースを効かせて三角を意識して撮ると、ストーリーが生まれやすくて効果的というわけですね。
とにかく三角っぽければ、ちょっと安心する
写真の構図に困ったときは、三角っぽいところを写しておけば安心して見れる写真になります。
札幌に旅行に来たら、やっぱり建物全体を写したくなる赤れんが庁舎。いつでも行ける余裕のある道民なら、こんな贅沢な構図で撮ってみるのも良いのではないでしょうか。
建物の三角の部分をさがすと、意外な発見があるかもしれませんね。
風景でも三角を探せ
もちろん自然の風景でも三角はあります。「山」とか、「木」とか。とにかく三角をいれると、安定して「見やすい」写真になります。
心を動かす効果は「道」とかの視線誘導をねらった写真の方が有利ですが、落ち着く風景も良いじゃないですか。ぜひトイレに飾りたい写真。
というわけで、三角があれば積極的に撮っていきたいですね。
三角構図で、写真に安心感とストーリー性を
三角構図を使いこなせば、安定して「良い写真」が撮れます。さらに道や線路などを撮れば、「心を動かす」写真にも。
そんな三角構図。ぜひ狙って行って下さい。それでは良きカメラライフを。