ストーリーテリングとは?ブログやwebライティングに役立つ、物語の伝え方

当ページのリンクには広告が含まれています。
ストーリーテリングとは?ブログやwebライティングに役立つ物語の伝え方。

この記事を読めば、「ストーリーテリング」をブログ執筆やライティング業務に活かす、具体的な方法がわかります。

たくろー
どうも。札幌のwebライター、たくろーです。

「ストーリーテリング」という言葉、よく耳にしますよね。

たとえば、「こんな苦労のすえに、この素晴らしい商品ができました」とか。「こんな想いをもって、このプロジェクトを立ち上げました」とか。

簡単にいえばこのように、物事のストーリーを伝えて共感を得る手法。スピーチとか、プレゼンとか、さまざまな場面で使われています。

僕は普段企業オウンドメディアで編集の仕事をしているのですが、読者に情報をつたえるのに「ストーリーテリング」は非常に重要だと感じています。これが上手くつかえるか否かで、文章のクオリティがまったく違ってくることも。

しかしストーリーテリングに関する情報は、なんとなく抽象的な説明のものが多く、「そのままメディアやブログに活かせる情報がない…」と思ったのが、この記事を書こうと思ったキッカケです

というわけで、今回はあくまで「ストーリーテリングをブログやwebメディアでの記事執筆に活かすには?」というテーマで、情報をメモします。

※この記事はPRを含みます。すべてのコンテンツは筆者の調査や経験をもとに制作しております。詳しくはコンテンツ制作ポリシーをご確認ください。

目次

\この記事を書いた人/

たくろー
ブロガー
関西から札幌に移住してきました。会社ではWebメディアの編集長を。家では無心でブログを書き続けるブロガーとして生きています。以前はブラックなアパレル企業で人事やエリアマネージャーの仕事をしていて、退職代行からの電話を受けたことがあります。「一つの会社とか収入源に依存しない働き方がいいよね」というスタンス。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

ストーリーテリングとは?

ストーリーテリングとは?

ストーリーテリングとは、そのサービスやモノの物語を伝えることで、より共感を得たり、強い印象を与えるための手法です。文章だけでなく、もちろんスピーチやプレゼン、普段のトークでも使われます。

ちなみにコトバンクでは、以下のように記述されています。

「ストーリーテリング」とは、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの“物語”を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のこと

コトバンク「ストーリーテリング」より引用

伝えたいモノやコトを「物語」に登場させながら解説することで、より強く印象付けるという手法です。

スペックをそのまま伝えるのではなく、ストーリーで伝えると印象深くなる

スペックをそのまま伝えるのではなく、ストーリーで伝えると印象深くなる

「布袋のザンギは、美味い」

たとえばこんな情報があったとします。そりゃ美味いんでしょうが、どれだけ美味いのかとか、よくわからないので印象に残りません。

札幌市民にとっては「布袋のザンギ」が美味いのは共通認識ですが、それ以外の方からすれば、この情報だけでは覚えてもらえないでしょう。

これに少しだけ、ストーリーを足してみます。

「布袋のザンギは、オフクロの味に似ていて美味い」

布袋のザンギに「オフクロの味」という情報が加わりました。これだけでなんとなくストーリー性がでたような気がしませんか?

これにもっと主観のストーリーを足してみます。

毎週火曜日のお昼はデリバリーを取る習慣があるのですが、かならず「中国料理 布袋」のザンギを届けてもらっています。

かなり大きめのザンギを7個も食べているのは、最初は同僚から驚かれました。「なんで布袋のザンギなの?」と聞かれて、そのときは具体的に説明できなかったのですが…。

考えてみれば、布袋のザンギってすこし「オフクロの味」に似ているんです。醤油とニンニクがベースの味付けのザンギ、なんとも懐かしいんですよね。

そんなこともあって、僕はザンギがすごく好きです。布袋のザンギ、とても美味しいので、機会があれば食べてみて下さい。

こうなると、もう少し「布袋のザンギ」の印象が深くなったような気がします。

こんな例で伝わったでしょうか?

このように何かのモノやコトを伝えるときに「ストーリー」に登場させながら説明することで、より深く印象付ける、という効果を狙えます。

エモーショナルライティングとの違いは、それが「誰」の話か

エモーショナルライティングとの違いは、それが「誰」の話か

ストーリーテリングと似たような言葉で、「エモーショナルライティング」というものがあります。ちょっと混同しがちなので、一旦整理しておきます。

2つの違い

  • ストーリーテリング…あるモノを説明するときに、自分の中にあるエピソードを交えたストーリーを伝えることで、読者により印象付ける手法
  • エモーショナルライティング…あるモノを説明するときに、それを体験するイメージを沸かせることで、読者に行動にうつしてもらう手法

一番大きな違いは、視点です。語るストーリーが、「自分の過去の話」なのか、「読者の未来の話」なのか?というところです。

ストーリーテリングは自分の体験を通してサービスやモノを覚えてもらいたいとき。エモーショナルライティングは、相手が体験できる未来をイメージさせて、行動にうつしてもらいたいときに使うのがベストです。

気になる方は、先日書いたエモーショナルライティングについて解説している記事もあわせてご覧ください。

この違いを考えれば、ストーリーテリングはブランディングに役立つ手法だとも言えそうですね。

ストーリーテリングをブログに取り入れる具体的な手法

ストーリーテリングをブログに取り入れる具体的な手法

モノやコトを強く印象付けられる、ストーリーテリング。上手につかえればとても便利そうですが、無理に使うとよくわからない文章になる可能性もあります。

ここで一度、ブログやメディアの記事に活かすための具体的な方法を整理しておきたいと思います。使い道さえ整理しておけば、使うタイミングによってはもう一歩良い文章を書けそうですよね。

基本的に使いやすいタイミングは3点。

使うタイミング

  • プロフィール
  • 体験談
  • 取材

「ブランドを強めたい」とか、「覚えて欲しい」とか、そういうときに使うべき手法かなと感じています。

プロフィールに使う

プロフィールに使う

ブログのプロフィールは、ストーリーテリングをつかうもっとも適したタイミングです。

  • webライター
  • 既婚
  • 札幌移住民
  • カメラ趣味

上記のようにスペックだけが箇条書きにしてあるよりも、主観をいれたストーリーで伝えた方が少し印象深くなります。

下記の文では、ストーリーの中にスペックを散りばめて紹介してみました。

好きな場所で好きなように生きたいと思って、大好きな札幌に移住してきました。キリトリ方ひとつで普段の日常がまったく違って見える”写真”が好きで、休日には妻とふたり、カメラをもって北海道を旅しています。

この方が、なんとなく人物像が伝わって、印象深くなりますよね。

モノや体験を紹介するときにつかう

モノや体験を紹介するときにつかう

「体験談」の記事だと、自然とストーリーテリングが使われることになると思います。

たとえば「この前買ったウォーターサーバーがめちゃくちゃ良かったからおすすめする」みたいな記事ですね。

この場合は逆にストーリーテリングの手法を使わない方が難しいとは思うのですが、コツはできるだけ「具体的なエピソード」を抜き出すことです。

たとえば。

ウォーターサーバーがすごく良い

これだと抽象的すぎて、あまり印象に残りません。

先日ウォーターサーバーを買って、とても気に入っています。

なにしろ、もうケトルでお湯を沸かす必要も、ミネラルウォーターを買う必要もないのです。

値段以上で満足しています。

こんな風に具体的なシチュエーションをいれれば、「なるほど、そういう点が良いんだな」とわかります。

でも…なんだか取ってつけたような紹介ですよね。誰でも書けそうですし、この人が本当に体験したのかどうかすらわかりません。

そこでもっと印象付けるために、具体的なエピソードをいれたいところです。

夜中に食べるカップラーメン、美味しいですよね。買いだめしてあるカレーヌードルをついつい食べてしまうのですが、なんにせよお湯を沸かすのが面倒です。

できれば今すぐ食べたいのに、思い立ってから少なくとも5分+3分=8分ほども待つ必要があります。

でもウォーターサーバーを買ったことで、本当の意味で「3分」で食べられるように。まさかお湯を沸かす手間が一切いらないだけで、こんなに快適になるとは思いませんでした。

カレーと言えばお茶じゃなくて水が欲しいところですが、その点でもウォーターサーバーは優秀。いつでもミネラルウォーターが飲み放題です。

重いペットボトルも買わなくて良いし、ウォーターサーバーはもう手放せません。

こんな風に体験したエピソードをいれながら書けば、よりウォーターサーバーの印象が深くなるはずです。

でもこれはあくまで「印象付ける」ターンなので、このあとエモーショナルライティングを使った文章で読者の体験イメージを沸かせて、行動にうつってもらうような流れですね。

取材相手のエピソードを伝えるときにつかう

取材相手のエピソードを伝えるときにつかう

たとえばなにかの商品を作った会社に取材して執筆する記事など。企業や商品のエピソードをより印象強く伝えるときにもストーリーテリングは有効です。

たとえば僕が気にいって使っている、この傘の企業に取材にいったとしましょう。

これはアメリカの企業「トーツ社」が作った傘なのですが、なんと「風速31m/sの風にも耐える」というスペックをもっています。

これだけでもかなり印象深いのですが、たとえば会社がこの傘をつくろうと思った背景とか、設計時に何度も失敗したエピソードとか、そんなことを伝えるともっと印象付けることができそうですね。

アメリカのトーツ公式サイトの情報から、すこしエピソードを考えてみました。

トーツ社がこだわりの傘を作り続けている原動力は、「雨がふっても、楽しい日を過ごして欲しい」という想いだそうです。

同社が創業されたのは、オハイオ州。やはり雨の多い地域です。

長靴、サンダル、傘と様々なレイングッズを作っているトーツ社。一つひとつのデザインに、「どんな天候の日にも笑顔を届けたい」という思いがこめられています。

そんなトーツ社がつくった最高傑作は、台風の風にもビクともしない、「トーツタイタン」という折り畳み傘。女性も男性も雨を楽しめるようにと、もちろんサイズもたくさん用意されています。

風でひっくりかえる傘にウンザリしている方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

このように企業の想いや成り立ちなどを交えながら紹介することで、ただ「風速31m/sの風にも負けない傘」と言われるよりもチェックしたくなるかもしれません。

しかし注意したいのは、体験談でもなんでもないので、「取材記事」じゃなければうさんくさくなるということです。

そのあたりは、特に個人ブログだとちょっと注意したいですよね。

ちなみにこの傘は本当に良かったので、気になればチェックしてみて下さい。トーツタイタンのレビュー記事はコチラです。

ストーリーテリングが文章に使われているメディア・広告の具体例

ストーリーテリングが文章に使われているメディア・広告の具体例

それでは最後に、ストーリーテリングが取り入れられているメディアや広告を少しだけご紹介します。

ストーリーテリングを用いたスピーチやプレゼンが上手な人物なら、元appleのスティーブ・ジョブズなどが有名です。しかしうまくストーリーテリングが使われている文章コンテンツを探すとなると、意外と具体例を見つけるのが難しいのが実情。

たとえば駅の広告とか、商品をPRする文章をみたときに、「お、これはストーリーテリングが使われてるな」とか、「これはわざとらしすぎるけれど、それすらも計算なのか?」とか、毎回分析するクセをつけていきたいですね。

NIKE

NIKE

スポーツブランドのNIKEですが、広告にあまりスペックや他社比較などを打ち出さないことをコンセプトにしていることで有名です。

たとえば上の画像のシューズでも、重さが何gしかないとか、ソールがどれだけ画期的な素材でできているかとか、そんなことは語られていません。

誰が関わり、どんな想いでデザインされて、どう作られたのか?といったストーリーが語られるのみです。

ストーリーテリングを商品紹介に取り入れたいときは、一度ナイキの公式サイトを参考にしてみるのもおもしろいかもしれません。

札幌の地下鉄の広告

札幌の地下鉄

札幌の地下鉄で、おもしろい広告を見つけました。実はこの「ストーリーテリング」をテーマにした記事を書こうとおもったのも、これを見たのも一つのきっかけなのですが。

地下鉄のトイレにも歴史がありまして、
昔は、紙が有料だったり、便器も変な形で
「臭い」「汚い」と言われてました。
そんなわけで、便器を普通にしてみたり、
かなりマシにしたんですけど、
あんまり使われてないんですよね…。
ということで、まずは3駅のトイレを
キレイにしてみました。
「たかがトイレ」なんておっしゃらずに、
ぜひご利用ください。
#Renew

要するに地下鉄のイメージアップの広告なのですが、ただ「トイレを新しくしました」とだけ知らせるのではなく、ストーリーをもって伝えることで、より印象付けることに成功しています。

(現に僕は写真まで撮ってきました…。)

こんなお堅そうな会社でも、ストーリーテリングは使われてるんですね。

新R25

新R25

「新R25」ってメディア、ブロガーの方ならご存じかと思うのですが。

ガッチガチの広告案件ばかりなのに、そうは見えないおもしろい記事ばかりが掲載されています。全ての記事のストーリーがしっかりしているんですね。

たとえばですが、芸人の吉村さんがペアーズというマッチングアプリをPRしている記事があります。

PRとなると、「料金がどれだけ安い」とか、「登録方法がどれだけカンタン」とか、そんなことを語ってしまいがちなのですが…この記事では一切触れていません。

吉村さんの過去の体験を交えながらアプリの良いところを伝えて(ストーリーテリング)、つかうと読者がどんな体験ができるのか?を伝えて(エモーショナルライティング)、それなのに記事がすごくおもしろい。

これはなかなかスゴイことです。

この記事を読めば、「あ、マッチングアプリって意外と良いものなんだ」と思う人が沢山いそうですよね。記事に活かせるストーリーテリングのアイデアが欲しいときは、新R25は要チェックです。

ストーリーテリングまとめ

ストーリーテリングを上手に使えるようになれば、ブログの記事が一段も二段も華やかになりそうです。ブランディングに成功している人や会社は、やはりこの「ストーリーテリング」が上手なケースがほとんどです。

なかなか難しいスキルですが、少なくともブログの体験談やプロフィール、取材記事などでは積極的に使っていきたいですね。

下記の記事では「職務経歴書に書けるレベルのブログの作り方」も解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

その他文章術

さまざまな書籍を読み、仕事やブログ運営で活かしつつ理解したことをまとめて発信しています。良かったら記事もご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

Webライター、
本格的に目指しませんか?

Webライターとして本格的に活動するなら、まずはメディアで社員やアルバイトとして働いてスキル・ノウハウを身につけることをおすすめしています。

その本質は、日々プロからの添削が受けられることです。いきなりフリーで活動すると「プロライター」の視点で見られることになりますが、現場で働けば、最初は下働きをしながらプロの仕事を学べるのです。

とはいえ転職が難しい場合、プロからの添削が受けられるWebライター講座を検討してみてください。

世の中にはさまざまなライティング講座がありますが、個人的にはYOSCAの運営する「あなたのライターキャリア講座」が推しです。プロからの添削1年アフターフォローYahoo!JAPAN寄稿ライターへの推薦など、個人的に「これならおすすめできる」と思えるサービス内容が揃っています。

まずは資料を確認して、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

関西から札幌に移住してきました。会社ではWebメディアの編集長を。家では無心でブログを書き続けるブロガーとして生きています。以前はブラックなアパレル企業で人事やエリアマネージャーの仕事をしていて、退職代行からの電話を受けたことがあります。「一つの会社とか収入源に依存しない働き方がいいよね」というスタンス。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

目次